鼻につけているチューブを抜いてしまうため、グローブとつけさせられている。
「頭がジンジンする」と頭を振ったり、たたいたり、激しく寝返りを打つ。
これまでも痛み止めを使っているので、薬に頼るのは無理。
我慢してもらうしかない・・・
頭をさすると多少落ち着いた。
「お茶が飲みたい」と言うが、水も飲んではいけない状態なので、
脱脂綿に水を含ませ口内を湿らせるのだが、チューチューすっていた。
「トイレに行きたい」と言うが、管が入っているのでもう尿は出ているはず。
尿意だけは感じるのか？
夫「トイレも行けないのかぁ」と言葉をもらす。
夫「休憩所、タバコとか吸えるとこはどこですか？」と看護婦さんに聞く。
看護婦「タバコは吸えないんですよ」と優しく言ってもらう。
話ができる状態か聞くと、
夫「短くておもしろい話なら聞く。
おもしろくても長いのとか、短くてもおもしろくないのはダメ。」
短くておもしろい話が思い浮かばないので、
とりあえず、バイクの車検は退院後にとおすことを伝えた。
元気づけようと、
私「ＩＣＵにいると家族以外は面会にこれないので
一般病棟にうつったらお見舞いにきたいって、みんな言ってたよ。」
夫「誰？」
私「バイクチームのメンバーとか、会社の人とか。
班長が退院後のことは心配するなって言ってたよ。」
私「ここどこだかわかる？」
夫「う〜ん、板橋何とか病院」
私「ちかうよ、Ｔ病院。ちょーきれいだよ。今は分からないかもしれないけど、
一般病棟に行ったらわかると思うよ。」
頭痛がしたときのことを聞いてみる。
夫「２階にいて、頭がジンジンしてきて、１階のトイレでウンチをしてたら
すごく痛くなってきて、急いでふいて飛び出た。
お父さんもお母さんもあわててて、救急車何番だっけとか言ってた。」
当日のことは覚えているようだ。
おとなしくなった・・・寝たのか？
起きるとまた看護婦さんに迷惑をかけるので、おこさないように、
そっと帰る・・・・
