半年ほど前から友人(えぐび)の妹がモンゴルで『海外青年協力隊』という活動をしており、 えぐび氏から突然「モンゴルに行くことになったけど一緒に行く？」というお誘いがあった。
今年の夏は久しぶりに北の大地をバイクで走るつもりだったが、以前から「モンゴルの大草原とゴビ砂漠をいつかバイクで走ってやる！」と切なる願いを持っていた。
ここはチャンスとばかり、いつか行くであろうモンゴルツーリングの下見も兼ねて『えぐび氏』と奥さんの 『ぶーすかさん』、そして『私(コミネ)』と『若子』の合わせて４人で行くことにした。
成田から５時間ほどでモンゴルの首都『ウランバートル空港』へ到着。 気温は２７・８℃で猛暑の日本よりは遥かに涼しく天気はくもり。 そこへ今回のツアーガイドである『ジュリさん(えぐび妹)』が笑顔で登場した。
空港からタクシーで３０分ほど走ると、人々が賑わうタクシーターミナルへ到着。 そこから１００ｋｍ離れた『バガノール』という小さな街のジュリさん宅へ行くのだが、５人乗車できる タクシーが見つからない。結局、えぐび夫妻の２人とジュリさん＋コミネ夫妻の３人が別々のタクシー (一般人の車をお金払ってのる相乗り）でジュリさん宅へ向かうことになった。
えぐび夫妻のタクシーは順調に走り２〜３時間でジュリさん宅に到着したが、 私達のタクシーは２時間程走ったのち「ガッチャン・ガリガリ」という音をキッカケに 突然車が動かなくなってしまった。
既に時計の針は夜１１時を回り空は真っ暗。風の音がほのかに聞こえる真っ暗な大草原の中、私達３人と 運転手・モンゴル人男性の５人は車が止まり途方に暮れてしまった。
夜中の大草原で車が止まってるにも関わらず「モンゴルではよくある事なの、これで何とかなるのがモンゴルなのよ」 と当たり前のように言うジュリさん。たくましいセリフだ！
ドライバーとモンゴル人男性が外で車の様子を伺っていた。私も気になり外に出ようとしたら、 なんと車内からのドアが開かなくなってしまった。 仕方なくドライバーに外からドアを開けてもらい無事に車を脱出。 いったいこの車はどうなってんだい？？？ 車のメータは、おそろしい事に走行距離が３０万キロを超えている・・・ これもモンゴルでは当たり前とのこと！
そして、空を見上げると雲を押しのけて浮かぶ満天の星空にビックリ！ 日本の数倍もある星の数で北斗七星も分からなくなりそうなくらいのたくさんの星。天の川まで見えるのだ。
結局、車は元には戻らなかった。ドライバーとモンゴル人男性２人で、たまに通過する車に手を上げて 助けを求めているが、誰も停まってくれない。こうして２０〜３０分くらい過ぎた頃、 私達も応戦しようと暗闇の中５人で必死に手を上げると、ようやく ロシア製のジープが私達の前で停まってくれた。
５人乗りのジープに無理矢理乗って総勢８名。私はモンゴル人のおっさんに抱っこされ、若子もモンゴル人男性の 股の上に乗りならがもシッチャカ・メッチャカな相乗りでバガノールのジュリさん宅まで送ってくれた。 本当に「バイラルラー(ありがとう)」っていう気持ちでいっぱいでした。
ジュリさんの家では、既に到着しているえぐび夫妻がジュリさんのために日本から持ってきたドでかいダンボールを 開けて日本の食品・お菓子を広げていた。ジュリさんは日本食に感動して オニクワガタを捕まえた時のような満点の笑顔！
時間は既に夜中の２時すぎ、ようやく長〜くてディープな１日が終った。