バンコク・アユタヤ編 バックパッカーデビュー 1/4
| クリスマス間近の「成田空港」ロビーでは、慌しく日本人と外国人が入り交っている。スーツを着て堂々と歩いているお偉そうな欧米人やおしゃべりが止まらない団体旅行のおばちゃん達。抱き合ってメロドラマを演じている若いカップル。ここでは様々な人が、それぞれのドラマを展開している。 電光掲示板を見るとニューヨーク行きからロンドン行き。そして私が乗るムンバイ行き(バンコク経由)の便も表示されている。そしてロビーの中央に建つ高さ７・８ｍ位のクリスマスツリー見ると季節の音連れを感じさせてくれる。 久しぶりに泣いてしまった。３０を目前にした男が、成田空港で泣くなんてみっともないじゃないか。お前はドラマの見過ぎか？と自分に言いたくなるが、初めての一人海外の旅なのだ。ひとりぼっちで海外へ行く不安。数ヶ月日本を離れる恋しさ。自分で決めた事だけど、やっぱり涙が出てしまうのだ！金八先生も「泣きたいときには泣きなさい」って言ってるしね・・・？？？ ボディー検査で二度止められながらも搭乗口へ。エアーインディアの機内に入ると「ナマステ」とサリーを身にまとったインド人スチュワーデスさんが出迎えてくれた。しかもド・ド・ドキレイ(Calario風)！私も「ナマステ」と言うとそのスチュワーデスさんはニコニコして笑顔を返してくれた。おー感動もの。この旅初めての国際交流だ〜〜！単純すぎるオレ・・・。 飛行機は３０分ほど遅れたが、ほぼ予定通りに成田空港を離陸して一路バンコクを目指して飛び発った。機内では日本人・タイ人・インド人がほぼ同人数の割合で英語・タイ語・ヒンディ語などが飛び交っていた。 隣の席には、私と同い年位の若者がいて仲良くなった。彼は何度かタイに来ていて、これからタイの南の島に住もうとしているようだ。タイ語も多少話せるらしい。 航路中、タイ人の女性が急に具合が悪くなり騒ぎになったが、乗客の中にいた日本人の医者が駆けつけ応急処理の末、徐々に回復した。 そしてその女性が回復した時、周りの乗客から拍手が溢れた。お〜すばらしい光景。病気には国境が無いんだよね。 予定通り夕方５時頃バンコク国際空港に到着。気温は30℃を超える暑さだ。飛行機で隣に座っていた若者と空港で会った20歳位の学生と３人で電車に乗りバンコク中心街へ(20バーツ(\50))向かった。 空港からバンコク中心街へ１時間程の電車だが、その途中で見た線路沿いに住む人々の家は、狭いあばら屋のような家に何人もの家族が住んで、今の日本では考えられない程貧しいものに見えた。バンコクが繁栄してきているとはいえ、貧困の差は私達が考えている以上にあるのかもしれない。 バンコク中心街に到着すると、私が初めの一泊だけ予約していたホテルへ向かいチェックインした。これが日本でいうと、かなりグレードの高いホテルなのだ！これが1000バーツ(\2,500)と安い。このホテルがこの旅一番の高級な宿になろうとは、この時には思いもしなかった。 空港から一緒に来た３人はそれぞれ別の宿を取り、再度合流してから近くの屋台で夕飯。夕飯を食べている時に、南の島に住もうとしている若者が「バンコクに来たら一度はゴーゴーバーに行ってみなよ」という話から始まり、とりあえず３人で夜の歓楽街「バッポン通り」へ行こうという事になった。 トゥクトゥク(三輪タクシー)でバッポン通りへやってくると、街はもの凄い熱気だった。熱狂的で多国籍な人々の賑わい、店のネオン、もの凄い客引き。一瞬どこの国にいるのかさえ忘れてしまうほどだ！先ほど線路沿いに見た貧困な家とは180度違う別世界だ！ 歓楽街見学もそこそこに、空港から一緒だった２人と別れを告げホテルに戻った。海外に来て初めての夜。心臓がドキドキしている。何だかずっと夢の中にいるような非現実的な一日だった。 −１／４− |
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