大金危うし！エクスポート詐欺に遭遇
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ある日、私がカオサンロード近くのテンプルを見学していると、タイ人のオヤジに声をかけられ話をしていた。オヤジはテンプルの近くにある寺の学校の先生だという。 そして、私が「これからカオサン周辺を色々と観光するんだ！」と言うと、色々とテンプルやショッピング・ムエイタイなどのお薦めスポットを何ヵ所も教えてくれた。 そしてオヤジがこれらの数ヵ所のスポットをトゥクトゥク(三輪のタクシー)で30バーツ(約80円)で周ってくれると言う。トゥクトゥクの相場からするとずいぶん安い。そこで「トゥクトゥク30バーツツアー」に行くことにした。 プランは、４・５ヵ所のテンプルを周ってからショッピングに行って、最後にムエイタイに行くというプランだ！ オヤジはトゥクトゥクの運転手を呼んで、タイ語であれこれ説明している。運転手は、渋々ＯＫしたという感じだ。 そして私を乗せたトゥクトゥクツアーが始まった。初めの２ヶ所のテンプルを見終わり、３ヵ所目のテンプルで手を合わせてお祈りをしていると、バンコクに住む日本人とタイ人のハーフだという青年に出会った。 その青年にトゥクトゥク30バーツツアーの話しをすると、「ずいぶん安いですねぇ。最後に高額な金額を要求されて、トラブルになる事が多いので気をつけて下さいね。」と親切に教えてくれた。 それから、来月に日本へ行くというその青年は上手な日本語でタイ国民のイベントの話をしてくれた。 タイは賃金も・物価も他の国に比べて安い為に、一般の国民が海外旅行に行く事が難しい。そんな国民の為に政府が１年に一度「THAI.GABAMENT.EXPORT.ENTER」というイベントを行っている。タイの宝石などの商品を、普段は195%の税金をかけているが、このイベントの期間は税金がフリーとの事。要は１／３の金額で一定の量まで商品が買えるという事だ。 タイ国民はその商品を買って、ヨーロッパ・アメリカ・日本などの先進国で商品を高く売り、その利益で旅行をするのだ。その商品を売る店とは、契約しているので必ず買い取ってくれる。更にここ数年は、外国人も買えるようになったそうだ。 宝石といってもタイの物価なら安いだろうと思い、その青年の薦めもあってとりあえず覗いてみようと思った。そして青年とは別れてトゥクトゥクでイベントの場所へと向った。 宝石店の前でトゥクトゥクが止まると、トゥクトゥクの運転手が「ここだ！」と言った。政府が行っているイベントと言うから大きな会場かと思ったが、ただの宝石店だった。 店の中へ入るなり、日本語ベラベラのオバさんに「こっちですよ」と案内されて、宝石を見るとビックリ！かなりの高額だった。 指輪やネックレスのセットなどが１０万円とか１５万円など、日本並の値段がフッてあるのだ！ 隣では西洋人が大量の札束を出して宝石を買っている。 そして、日本語ペラペラのおばさんが日本の銀座の店の「ミキモト」などのリストを見せてくれた。「ここへ行けば必ず売れるから大丈夫！今だけこの値段、さぁどれを買う！」などと強い口調で言われて、異国の地でタイ人のオバちゃんに追い詰めらてしまった。 「一番安い物でいくらですか？」弱気にと聞くがそれでも７万円。これで儲けられるなら買おうかな？という気持ちに一瞬なったが、７万円などという大金は出せない。「今は買えません」と言って店を出てきた。 店の前で待っていたトゥクトゥクの運転手は「宝石買ったか？」といい、「買わなかった」っていうと、何も言わずに次の目的地のテンプルへと向った。 テンプルに着くと、今までは一緒に観光していた運転手が「オレはここにいる」と言うので１人でテンプルを見に行った。そして見終わってから、トゥクトゥクが止まった場所へ戻ると、なんとトゥクトゥクと運転手がいない。バックレかぁ！もし始めにトゥクトゥク料金を払っていたら、「やられた！」という事になるが、まだトゥクトゥク代を払ってない。おかしいと思い周りを探したが結局いなかった。ここまでの分はタダ乗りだし、まぁいっかと思いカオサンの宿に戻った。 宿に戻り、ふと壁に貼ってある紙を見ると「エクスポート詐欺が多発しています。宝石等を高く買わされて、騙されている日本人がたくさんいるので気をつけてください」と書いてあった。えっ！今行ってきた宝石店の事だよ。 よく考えると、あのカオサン近くのテンプルで会ったオヤジからトゥクトゥクの運転手・偶然テンプルで会ったタイ・日本ハーフの青年、そして宝石屋とみんなグルだったのだ！ あのトゥクトゥクの運転手も始めからエクスポート詐欺が目的だったから、宝石を買わなかった後で、いなくなったのだ！ あぶねぇ、買わなくてよかった。 |
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