まず、インド人とパキスタン人では会話するときの温度差が違う。
両国とも外国人に対して興味を強く持っているのだが、インド人はとにかくノリで勝負といった感じだ。
例えば『ラクソールの駅はどこだ！』と５人に聞くと、３人は『そっちだ！』と同じ方向を指すのだが、 別の２人は『あっちだ！』と自信満々に別の方向を指すのでやっかいだ。 とにかく分からなくても『知らない』とは答えないがゆえに何人にも同じ質問をするのだ！
一方のパキスタン人は、『ファイサルモスク行きのバスはどこだ？』と聞くと、 分からないことは『知らない』と言うので答えてもらったときの信頼度は高い。 人のいいおばさんだと、そのおばさんがわざわざ知らない人を呼んで聞いてくれるのでとっても親切なのだ。
買い物する時の対応についても対照的だ！
以前、インドニューデリーで小学生位の少年から小さい古びた太鼓を買ったのだが、初めに少年が言ってきた 値段はは何と７００ルピー(\1,750)と言われ、その時は高すぎるといって断ったのだ。
その後、毎日その少年と出くわし、その度に太鼓を売りつけられて太鼓の値段交渉をしていた。 ７００ルピーから５００ルピー、３００ルピーと値段が下がり、私が『買いたいけど高いから買えないよ』というそぶりを 見せるとどんどん下げてくれる。最終的には７０ルピー(\175)で少年から太鼓を買った。 ファーストプライスは７００ルピーで買値が７０ルピー？？？おいおい１０倍じゃねぇかよ！
その点、パキスタン人はしたたかにボッてくる。パキスタンのお土産ＮＯ１のショールを購入した時の ファーストプライスは８００ルピー(\1,600)だった。
インドの時と同じように『買いたいけど高いから買えないよ』という作戦は全然通用しなかった。
『今は午前中だからモーニングプライスで、更に君は友達だから７００ルピー(\1,400)にしてあげるよ』と言われたが、 『それでも高いよ』と言うと、ガッカリしたような顔をされて、値下げもしてもらえずにその場で終ってしまう。
しかし、何だかんだと粘り強い交渉を続けて、チャイ休憩を挟んで３０分余りの格闘の末、５００ルピー(\1,000)で購入した。
インドでもパキスタンでも、買い物の交渉はお互いに真剣なのだが、買い物が終ったとたんに友達になる。 私が高い値段で買ってしまっても、お店の人が安く売ってしまっても関係ない。 次の日からは、顔が合えばあいさつをして楽しく話をする関係なのだ。 一つの場所に滞在すると、このように知り合いが徐々に増えて、土地に対する愛着が湧いてくる。
インドとパキスタンをこのように比較するのは現地の人々に大変失礼な気がするのだが、両国とも外国人に対しては とてもフレンドリーで外国人旅行者を楽しませてくれる。それがゆえに私は旅が辞められないのである。
イスラム教：２０％
その他２％
その他：３％
※実質的にほとんどが無宗教