私は初め『ＵＡＥ』と聞いて、砂漠の中の王様が納めているイスラム色が強くて恐い国をイメージしていたのだが、 実際はアラブ諸国をリードしている先進国で、最も安心して滞在できるアラブの国、または西洋人のリゾート地として 注目度の高い国なのである。
現に、私達が日本→ドバイ→イスラマバードと利用したＵＡＥの『エミレーツ航空』は、エコノミーを含む全席に パーソナルビデオスクリーンが設置され、英語やアラブ語はもちろん日本語の映画からＴＶ、ゲームまで出来るほど。 更に食事やサービスも満足する内容である。 物価は日本ほどではないが、それなりに高いのでバックパッカーにはつらい国だろう。
私達は、関西空港から１１時間かけて朝の６時頃ドバイの空港に到着した。 早朝のドバイは、気温は３０℃前後で南国の香りがする暖かな陽気で気持ちがよかった。 しかし太陽が上がるにつれ、とてつもない暑さになり、昼間になると４０℃位まで上昇してきた。
初めての国で、とりあえずドバイの街を探索しようとホテルを出て歩くと、ジリジリとした日差しが私達を襲ってくる。 アスファルトを見ると地面から陽炎がゆらめいている。これなら街を歩くアラブ人の顔が黒い理由、誰にでも分かるね。
しばらく歩くと、このクソ暑いドバイの街にうだってしまうのだが、ひとつのオアシスを見つけた。
ドバイの中心街は、デイラ地区とバール・ドバイ地区が２分されおり、その間を運河が流れている。 その運河で２つの地区を結んでいるのが『アプラ』と呼ばれる水上タクシーである。アプラに乗ると、両岸を結ぶわずか １０分程の水上の船だが、運河の水を切った風が火照った身体をクールダウンしてくれ、とても気持ちよかった。 しかしアプラを降りて再び歩き出すと身体はもうヘロヘロ。こうして昼のドバイを散策していたが、あまりにも暑かったので ホテルへ戻って昼寝をした。
夕方、昼寝から目覚めた私達は、夕食を食べようと薄暗くなったデイラの街を歩くとビックリ。なんだこの人の多さは！ 昼間は疎らだった街の歩道は、アラブの人・人・人で埋め尽くされ、歩くのもままならない。正月の明治神宮、 または全盛期の竹下通りを思わせる凄い人だかりだった。しかも男ばっかり！
アラブ人は、灼熱の昼間は家の中にいて夜になると遊びに出かけるそうだ。 この日は、金曜日でイスラム教の休日ということもあり特に人が多かった。 私達が昼間に街を出歩いたのは、まさに自殺行為なのだ。
砂漠の暑い国には、その地域なりの過ごし方があるのだと感心した。